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来世で逢いましょう 第十三話3

[265]  カルロス伊藤  2010-03-09投稿
「…ネオさん、これはここだけの話にしておいて欲しいんですが…」
「はい…」
「日本政府としては、あなた方の計画に反対の意見が大方なんですが、私的には計画を阻止するのではなく、平和的に独立が成功出来る様な策を講じた上で、中国には秘密裏に水面下であなた方のバックアップをしてあげたいという方針です」
「いいんですか?そんな事おっしゃって」
「ええ、私はあなたの志が成就出来るように協力してあげたいのです」
「嬉しいですわ、総理」
「ところでね…これはあまり関係ない話なんですが…ネオさんの組織の合言葉でもある“ウェイライグアン”という言葉、以前何処かで聞いた事がある気がして、思い出そうにも思い出せないんですよ」
「そうなんですか?実は私も昔聞いた事がある気がして、自然とこの言葉を合言葉にしようと思ったんです」
「へぇー、偶然ってあるもんですね…それとね、ネオさん…あなたと顔を合わせた時から、何だか初めて会った様な気がしなくて、以前何処かで会っている…そんな確信にも近い感覚があったんです。それも、変な話ですがここ数年とかではなく、ずっとずっと昔に…」
「…ちょっと怖くなりました。話を合わせる訳じゃないんですが、私も総理には以前何処かでお会いした事がある気がしていたんです。同じ様にずっと昔に…」
「う〜ん…これはもはや偶然とは言えない感じですね。もしかしたら前世で会っていて、同じフレーズを耳にしていた…なーんて事は考えられないですよね(笑)」
「でも…私、輪廻転生は有ると思います。ひょっとしたら本当に総理とは前世で会ってるのかも…」
「だったら何だかとてもロマンチックですよね。…何年、或は何百年かの時を越えて再び巡り逢えた事、光栄に思います」
「私も…」


そんな二人の会話をよそに、店の外にはカラオケ店からずっと二人を尾行していた怪しげな男の姿があった。

(続く)

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