気が付くとアタシは、クラス中、いや、学校中の視線を集めていた。



「妹尾優依、セフレ募集中」




その言葉と共に書かれていたのは、アタシの携帯の番号だった。










……何これ
















何で、何これ、どうして、どういう事?





頭の中が真っ白で、言葉が出なかった。




「……妹尾さん…?これ、どういう事なの?」


声をかけてきたのは学級委員の長瀬さんだった。
今まで話したことはなかったけど、言葉の出ないアタシを可哀相に思ったのか、少し押さえた口調でアタシの顔を見た。




どういう事って…
そんなのアタシが聞きたい。





「…だーれ?こんな事書いたの〜!!ちょっと笑えないよ〜!」



どうにかこの空気を無くしたくて、明るく笑って言ってみたけど、返ってきたのは冷たい言葉だった。


「だって本当の事じゃない」




声のする方には、あの時の三年生4人組がいた。




「妹尾さんいっつも男子に変な目つかってるじゃない」
「だから寂しいのかなって」
「お友達探すの手伝ってあげただけよ」




クスクスと楽しそうに笑う4人。









アタシ、別に男好きじゃない
変な目なんてつかってない
友達探すってなによ!!!



言いたい事はたくさんあるのに、言葉にならない。

そんなアタシに追い討ちをかけるように、携帯が鳴る。



「良かったね妹尾さん、友達できるかもよ?」



知らない番号。

「……やだ…」




何これ…やだ…やだ…




4人の笑い声につられて、クラスの何人かも笑いだして




その内、笑い声が大きくなった。








クスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクス………………………………


















気付くとアタシは、学校を飛び出して走っていた。







…これが、全ての始まり。

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