海賊と鬼使い 6
「ラウト!!見張り台から大海蛇の仲間が集まって来てないか見張れ!!」
「了解、船長!!」
ラウトは猿のような身のこなしで見張り台にスルスルと登っていった。
「ロア!!お前は砲台を準備しろ。ついでにギアンに船を止めろと伝えろ」
「オッケー、任せて!!」
ロアが指示通り走り去るのを見届けると、カイルは二人の様子をじっと見ていた。
一方、フウリと鬼道丸は大海蛇をじっと睨み上げながら静かに待っていた。先ほどから大海蛇が襲って来ないのはこの二人に威圧され、大海蛇が怯んでいるからと言える。
やがて船が止まり、波に揺すられるだけになった。ここからが勝負である。フウリの指示を受け、鬼道丸は船のへりに飛び乗った。
そして腰の刀に手をかけると、フウリに向かって頷いた。
「よし!!」
フウリはそう叫ぶと両手を前に突きだし、呪文を唱え始めた。
その時カイルは二人の威圧が途切れたのを感じた。大海蛇はハッと我に帰り、鋭い牙を剥いて二人に襲いかかった。
(砲台を準備させといてよかった。)
カイルは心の中で呟いた。
ドドォォン!!
大砲の音が響き、大海蛇から煙が上がった。
(命中か、さすがロア!)
そうしているうちに呪文の詠唱が終わった。
フウリは両手をそのまま横に広げ、「静寂よ」と
呟いた。
「鬼道丸!!」
フウリは両手を床にドンッとついた。
船の周囲だけ時が止まったような感じがした。
思えば、あれはほんの一瞬だったのだが、カイルは長い長い時間のように思えた。
そのほんの一瞬の間に鬼道丸は足に力をこめ、思い切り刀を抜き放った。
「『風切り』!!」
大きな二本の風の刃が大海蛇を切り刻んだ。
「了解、船長!!」
ラウトは猿のような身のこなしで見張り台にスルスルと登っていった。
「ロア!!お前は砲台を準備しろ。ついでにギアンに船を止めろと伝えろ」
「オッケー、任せて!!」
ロアが指示通り走り去るのを見届けると、カイルは二人の様子をじっと見ていた。
一方、フウリと鬼道丸は大海蛇をじっと睨み上げながら静かに待っていた。先ほどから大海蛇が襲って来ないのはこの二人に威圧され、大海蛇が怯んでいるからと言える。
やがて船が止まり、波に揺すられるだけになった。ここからが勝負である。フウリの指示を受け、鬼道丸は船のへりに飛び乗った。
そして腰の刀に手をかけると、フウリに向かって頷いた。
「よし!!」
フウリはそう叫ぶと両手を前に突きだし、呪文を唱え始めた。
その時カイルは二人の威圧が途切れたのを感じた。大海蛇はハッと我に帰り、鋭い牙を剥いて二人に襲いかかった。
(砲台を準備させといてよかった。)
カイルは心の中で呟いた。
ドドォォン!!
大砲の音が響き、大海蛇から煙が上がった。
(命中か、さすがロア!)
そうしているうちに呪文の詠唱が終わった。
フウリは両手をそのまま横に広げ、「静寂よ」と
呟いた。
「鬼道丸!!」
フウリは両手を床にドンッとついた。
船の周囲だけ時が止まったような感じがした。
思えば、あれはほんの一瞬だったのだが、カイルは長い長い時間のように思えた。
そのほんの一瞬の間に鬼道丸は足に力をこめ、思い切り刀を抜き放った。
「『風切り』!!」
大きな二本の風の刃が大海蛇を切り刻んだ。
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