携帯小説!(PC版)

トップページ >> ファンタジー >> 海賊と鬼使い 7

海賊と鬼使い 7

[294]  ホオズキ  2010-03-09投稿
「ゴロァァァァ!!!」
大海蛇は凄まじい叫び声を上げながら、三等分にされた体を沈めていった。
「わっわあぁぁぁ!!」
激しい波が起こり、船がメチャクチャに揺れた。
ついさっき妖術を使って疲れていたが、フウリはなんとか船のへりにつかまっていた。
「のわっ!?」
上から聞こえて来た声にフウリはハッと頭を上げた。
「き、鬼道丸!?」
本来なら鬼道丸はこれしきの揺れごとき、ものともしないだろう。
しかし、今回は呼び出されてから時間がかなりたっていたし、大技を出したせいで弱っていた。
船のへりという不安定で何もないところに立っていたせいで、鬼道丸はバランスを崩したのだ。
「きどうま…!!」
フウリはとっさに手を伸ばした。
鬼道丸の袖を掴むと、投げ技をかけた。
遠心力でフウリと鬼道丸は振り回され、互いの位置が入れ替わった。
つまり鬼道丸は船の上、フウリは船の外に……
「姫様!!」
海面から小さな水柱が上がり、そのままフウリの体は沈んでいった。



―息ができない…口の中 に水が流れ込んでくる
。咳き込む事もできな い…苦しい…
意識が遠のいていく。
上の方に小さな光が見える。鬼道丸、助かったかな?
フッと微笑むと昔の記憶がよみがえってきた。
鬼道丸には昔からいろいろ助けてもらった。
フウリが泣くと困ったような顔をしてぎこちない手つきで頭を撫でてくれた。
少しでも恩返しができたかな?
これ以上意識を保っていられなくて、スッと目を閉じた。と、その時
誰かに体を抱え込まれ、ふと見上げた。
光を浴びた銀髪がキラキラと光り、夜空に浮かぶ月のように見えた。
こちらを振り向き、ニカッと笑った顔にフウリはとても安心した。




感想

感想はありません。

「 ホオズキ 」の携帯小説

ファンタジーの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス