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来世で逢いましょう 第十四話1

[324]  カルロス伊藤  2010-03-10投稿
2031年9月
この日は朝から激しい雨が降り続いていた。

「ネオさん、今日は二人で歌いましょう。僕の音階を聴きながらしっかり付いて来て下さいね。練習曲は…そうだな、“故郷”にしましょう。メロディーラインも単純だし…知ってます?ふるさと」
「ええ、知ってます。いい曲ですわね」

カラオケが流れ、権藤は生まれ故郷の九州博多、NEOは台湾を、それぞれ頭に思い浮かばせながら歌った。


うさぎ追いしかの山
小鮒釣りしかの川
夢は今もめぐりて
忘れがたき故郷

いかにいます父母
恙なしや友がき
雨に風につけても
思いいずる故郷

こころざしを果して
いつの日にか帰らん
山はあおき故郷
水は清き故郷


「いいです、いいですよネオさん、もうちょっとです」
「はい、何だか凄く自信が付いてきました」
「…ネオさんの故郷、台湾はどんな所でしたか」
「…たぶん人は皆生まれ育った場所に特別な想いを馳せるんでしょうが…とても素敵な所でした。でも私達にはもう故郷は無い…帰る場所が無いんです」
NEOの瞳にはうっすらと涙が滲んでいた。
その頃、二人の部屋を目指し、カラオケ店のエレベーターに乗り込む三人の男の姿があった。

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