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Invisible Answerer -ep20-

[871]  へたれもち  2010-03-11投稿
「久しぶりだな、
ネメシス…感動の再会…
とはならないなぁ。」

僕が唯一、恐怖を感じる
人間…冷酷、残忍、狡猾
…様々な言葉が浮かぶ。

だが、どの言葉よりも
簡単な表現がある。

「…魔王…。」

魔王は笑う。

「コードネームもある
のだが…いつから魔王と
呼ばれてるのか。」

魔王は笑う。

「楽しみだ、あの時の
坊やがどのような成長を
遂げたのか。」

魔王は笑う。

「よく有る物語りの
ような展開だな。もし、
坊やが勇者に成長した
のならば…。」

魔王は笑うのを止める。

「死ぬのは私だな。」

全身の血が硬直してく
ような感覚。

「…あの頃から何も
変わってはいない…。」

魔王は苦笑する。

「…なら遊ぼうか。」

魔王は本気だ、あの苦笑
の奥にどれ程の殺気を
込めているのだろう。

「魔王…いや、
スプリット・ソル…
ここで終わらせる…。」

同時に走り出した。
約2mの距離で魔王の
姿が消える。

僕は床を滑り、魔王は
宙返りをしていた。

右足を軸に、反時計回り
に180度回転し右手に
熱伝導ブレードを構え、
魔王の左胸部を狙う。

ブレードの先端は心臓を
貫く事なく弾かれる。
これでいい…。

そのまま、身体の軸を
水平に向けて、身体を
時計回りに回転させる。

遠心力を加えての
踵落とし…当たれば苦労
はしないが…

当たった?いや、
受け止められてる。
だが、これも予測済み。

床を蹴り、そのまま後ろ
に回り込む、魔王の頭上
を通って。

足払いをするが、
バランスが崩れない。
それどころか、反撃
してきた。

腹部に軽い痛みがある。
受け流しきれなかったと
いうところか。

「…その程度か?」

勝てない…せいぜい
刺し違えるのが関の山
だろう。

魔王に慢心はない、
それどころか迷いもない
殺意を感じる。

最小限の消耗で戦って
いる…、勝てないなら…
いや、逃げるだけでも
いいはずだ。

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