夢十夜 〜第五夜〜
こんな夢を見た。
私は子供の時分であった。
夜空に沢山の電飾できらきらと輝き、鮮やかな色彩で彩られた大きな船が浮かんでいる。
私は一人それを見上げ、乗りたくてしょうがなくやきもきしていた。
すると船が私の方にすいと向かってきた。
輝かしい船がどんどん近づいてくるのん見て私はひどく興奮し感激した。
船が私のすぐそばに停まり、私は喜び勇んでその中に乗り込んだ。
船の中には私と同じくらいの子供が沢山おり、みな色とりどりの菓子を食べながら実に楽しそうに遊んでいた。
船がふわりと浮かび、どんどん空の高みへと昇ってゆく。
上空から見下ろした街々の灯りは美しかった。
私はわくわくしていたが、小さくなっていく街の灯りを見てこの船は何処まで行くのかと思った。
子供らの中に、ちんどん屋のような格好をして菓子を子供に配っている女がいたので、私はこの船は何処まで行くのか訊いた。
すると女はついと夜空の果てを指差し言った。
ほおら、あすこへ、どこまでもどこまでも行くンですよぅ―\r
私は女の示した、沢山の星が瞬く夜空を見た。
あすこは何処までも美しい宙が広がっているのだろうか?
それとも、果ては暗黒だろうか?
私は急に不安になった。
こんなに遠くに来てしまって、お母さんは僕を許してくださるだろうか?
そこで目が覚めた。
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