海賊と鬼使い 10
フウリとラウトが船長室に駆け込むと、他の乗組員は皆揃っていた。
机の上の海図を輪になって見ているようだ。二人が来たのに気づいたロアが輪に入れるように場所を空けてくれた。
「全員揃ったな。」
カイルが真剣な面持ちで言った。
「一週間前、フェルナ島で6個目の『カイラントの水晶』を回収することに成功した。」
カイルは海図の右端の小さな島を指さして言った。
「『カイラントの水晶』?」
自分の知らない単語に、フウリは思わず声を上げた。
「そっか。フウリは知らなかったわね。」
ロアがカイルの方に視線を向けた。
「フウリにも俺達の旅の目的を知っといてもらわないとな。」
カイルは静かに語りだした。
昔、カイラントという光の神がいた。カイラントには双子の弟、闇の神カルデスタがいた。
カイラントが大地に木々を育て、生物を作り上げている裏でカルデスタは
闇の世界を作り上げていった。鬼が住む世界もカルデスタが作ったものである。
ある日カルデスタは兄のカイラントが作った世界を闇の世界に引き込もうと考えた。
カイラントの目を盗んで二つの世界が最も近くなる場所へ出かけると、巨大な穴を開けてしまった。カイラントはすぐに気づいてカルデスタを追ったが、闇の世界はすでに広がりつつあった。
カイラントは自分を殺そうとするカルデスタを返り討ちにし、巨大な穴に
扉をつけると、自分の体を水晶に変え、扉にはめて封印をした。
「この神話は知ってるよな?」
「うん。子供のころ、聞いたことあるよ。」
この双子の神の神話は有名だ。
「この神話に出てくる扉は実在するんだ。」
「えっ!?」
「そして、その扉の封印を俺の父親が解いてしまった。親父は封印を解いた瞬間に流れ出た魔力に飲まれて死んだ。残ったのはカルデスタの呪いを受けた俺と闇の扉だけってわけだ。」
カイルは最後の言葉を苦々しげに吐き出した。
「封印を解いた時に割れた水晶のカケラを集めて扉を封印するのが俺の目的だ。」
机の上の海図を輪になって見ているようだ。二人が来たのに気づいたロアが輪に入れるように場所を空けてくれた。
「全員揃ったな。」
カイルが真剣な面持ちで言った。
「一週間前、フェルナ島で6個目の『カイラントの水晶』を回収することに成功した。」
カイルは海図の右端の小さな島を指さして言った。
「『カイラントの水晶』?」
自分の知らない単語に、フウリは思わず声を上げた。
「そっか。フウリは知らなかったわね。」
ロアがカイルの方に視線を向けた。
「フウリにも俺達の旅の目的を知っといてもらわないとな。」
カイルは静かに語りだした。
昔、カイラントという光の神がいた。カイラントには双子の弟、闇の神カルデスタがいた。
カイラントが大地に木々を育て、生物を作り上げている裏でカルデスタは
闇の世界を作り上げていった。鬼が住む世界もカルデスタが作ったものである。
ある日カルデスタは兄のカイラントが作った世界を闇の世界に引き込もうと考えた。
カイラントの目を盗んで二つの世界が最も近くなる場所へ出かけると、巨大な穴を開けてしまった。カイラントはすぐに気づいてカルデスタを追ったが、闇の世界はすでに広がりつつあった。
カイラントは自分を殺そうとするカルデスタを返り討ちにし、巨大な穴に
扉をつけると、自分の体を水晶に変え、扉にはめて封印をした。
「この神話は知ってるよな?」
「うん。子供のころ、聞いたことあるよ。」
この双子の神の神話は有名だ。
「この神話に出てくる扉は実在するんだ。」
「えっ!?」
「そして、その扉の封印を俺の父親が解いてしまった。親父は封印を解いた瞬間に流れ出た魔力に飲まれて死んだ。残ったのはカルデスタの呪いを受けた俺と闇の扉だけってわけだ。」
カイルは最後の言葉を苦々しげに吐き出した。
「封印を解いた時に割れた水晶のカケラを集めて扉を封印するのが俺の目的だ。」
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