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ミルトニア?

[399]  萩原実衣  2010-03-18投稿
「はぁ??」由宇は、何が何だか訳がわからなかった。
「もしかして、ゆな?」「そうだょ。こんなところで会うなんて!元気してた5年ぶりだね」二人は、楽しそうに挨拶していた。「あの〜、お二人知り合い?」由宇が聞くとゆなが答えた。
「いとこ。母親同士が姉妹なのっ。凛?なんでここに…。」
「あぁ、今、一時帰国してるんだ。3ヶ月前から…。」由宇は、席を外そうとしたのをゆなが呼び止めた。
「高山、いや…由宇君。明日、時間作れる」
「あっ、うん」由宇の返事を待って、凛は、お会計をした。
「凛。送って行こうか?」
「大丈夫だよ。ゆな今、来たばかりじゃない。これから、食事でしょ?」「まぁ、そうなんだけど…。今、実家?」
「うん。」
「後で電話するね」
「うん。待ってる!じゃあ」凛は、店をでた。
「ありがとうございました。」由宇の声に振り向き会釈して、杖を頼りに帰っていった。
由宇は店に戻り、ゆなに注文を聞きにいった。
「ゴルゴンゾーラのリゾットとカブとベーコンのスープを…。」
ゆなは、3分の1程残して食事を終えた。
由宇が珈琲を運ぶとゆなは、話しかけた。
「凛とも知り合い?」
「いや?今日初めて話したかな。一時帰国って?」
由宇の質問にゆなは、直ぐに答えた。
「凛は、チェロを勉強していて、あの子、私より2つ下で才能あって、時々オーケストラのコンサートに呼ばれているみたい…。」
「凄いんだ」由宇には、別の世界の人に感じた。
「明日って話し?デート?」由宇が含み笑いで聞くと、「両方みたいなもん」
「ふ〜ん」そう言いながら、仕事に戻った。

翌日、校門でゆながまっていた。
「ごめん。遅れて」由宇も一応高2で、進路相談なんてものをしていた。
「そんなに待ってないよ!」そういうと歩き出した。
「なんで…。キスだったのか聞きたかったんだ。別に、そこは、放ってくれても良かったのに…」ゆなの話しは、由宇からしたらたいした事ではなかった。
「言ったでしょ。殴られたくなかったからだょ。あんな風に食事しても味なんてわかんないでしょ。それだけ!」
「そっそれだけ?」
「うん。なんで?」
(そうだった。この人は、高山由宇だった…。)
ゆなは、自分も特別でない事を突き付けられ、同時に由宇に惹かれている自分に気付いた。
「ご飯食べょ。」二人は、店に入った。
席に座った由宇は、向かいのレストランに凛の姿を見つけた。

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