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alone 2=殺人鬼の少女=

[405]  兼古 朝知  2010-03-20投稿


「晶くぅぅん〜」

名前を呼ばれた山口 晶(ヤマグチ アキラ)は振り返った。茶の混じった短い髪の、15歳の少年。

「おばちゃん?どーしたんだよ」

尋ねられた年増で小太りの女は、泣きながら言った。

「竹さんが…奥の林で死んでたらしいの〜」

「タケさんが!?自神の奴等にやられたのか!?」

「そうらしいのよ〜。あの人まだ30なのに…アタシゃ悲しくて涙が止まらないのよぉ〜」

「……」

晶は何も言えなかった。
殺された…
また一人 死んだ…

「一体 誰が…」

「中村水鶴以外に誰がいるのよ?」

呟いた晶の背後から、樋口 夕(ヒグチ ユウ)の声がかかる。
真っ黒な瞳に真っ白な髪、低身長で晶と同い年の少女。

「やっぱし、かなぁ?」

「決まってるでしょ?」

夕は断定的な物言いだ。昔から夕はそうなのだが、晶はそれが苦手だった。

「水鶴…」

そう、中村 水鶴(ナカムラ ミツル)とは。

自神宗 教祖、中村 理一(ナカムラ リイチ)の娘にして、自神宗の中でトップクラスの剣の腕前を持つ少女だそうだ。

「晶…アンタ…」

「何でも、ねーよ」

晶はふいっとそっぽを向いた。

――晶と水鶴は幼なじみ同士だった。

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