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D‐GON ?

[430]  shin.ne  2010-03-20投稿
校長室を出てからしばらく、ノーザンランドの言葉が頭から離れなかった。

サヤを助けてやりたい。

それはただの思い上がりだったのか。
自分ではどうする事も出来ない現実だったなのか。
足を一歩踏み出す度に、心に重くのしかかっていた。

しばらくして、学校を出た先の校門の柱に、人が立っているのが見えた。
日が沈みかけ、辺りが暗くなり始めていた頃で、近くに行くまで誰か分からなかったが。

「オヨ…」

気まずそうにオヨが近いいてきた。

「これからどうするつもり?」

「さぁ、まだ分からないよ」

「サヤを助けに行くんだろ?それなら俺も連れて行ってくれよ」

「駄目だ!」

大きな声を出して否定してしまった事に、リュートはハッとした。

「ごめん、そんなつもりはないよ、本当に。オヨは停学で済んだんだ、これ以上問題を起こすな、いいな。」

「リュートのせいじゃない…。俺がリュートにエムルの事を話したんじゃないか…。インバ山に棲むエムルならサヤの病気を治してくれるかもって、だからお前は…」

「オヨ…」

オヨは今にも泣き出しそうだった。
オヨもサヤがさらわれたのは自分のせいだと、責任を感じていたのだ。

そんなオヨにリュートは語り始めた。

「なぁ、サヤってさ。病気で身体を弱めてから家にいる事が多くなったじゃん。でも昔はすげーおてんばだったよな。男に対して、強気ってゆーか。」

「うん…てゆーか、リュートだけにな、お前は妙にライバル心を持ってたじゃんサヤに、絶対勝てないのに。」

「当たり前じゃん!女だし、一つ年下だし!でも何をやっても勝てなかった、あいつには…」

リュートは学校の中でとても優秀な生徒だった。もって生まれた才能を早くから開花させ、同級生はもちろん、自分より上の学年の生徒にも負けないほど、リュートは他を圧倒する力を持っていた。
そんなある日、一人の天才少女がリュートの前に現れた。

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