海賊と鬼使い 13
(ふぅん…小さな島だからどんなとこかと思ったら、結構にぎやかなんだな〜)
ぶらぶらと店の並ぶ道を歩きながらフウリはそんな事を思った。
それにしてもロアの変装術はすごい。フウリの写真は世界中に広まっているのだが、誰も気づかない。後はフウリ自身がボロを出さなければいいだけだ。
「なぁウィル!!見ろよこれ!」
しばらくフウリは自分が呼ばれている事に気がつかなかった。
「おい、ウィル!!」
ラウトに袖を引っ張られて思い出す。
男装している間はフウリはウィルなのだ。
「ん、ゴメン。何?」
「これこれ!!」
ラウトが指さした看板に『腕相撲、十人抜きした者に賞金!!』
と書いてある。
この人だかりはこれか。
「ウィルやったら?」
フウリは手をヒラヒラとふった。
「ダメダメ。わた…俺、こういうこと興味ねぇ」
それに、とフウリは呟いた。
「相手の腕、折っちゃうかもしれないし」
フウリはもともと戦闘用に鍛えられたから手加減というものを素手でするのは難しいのだ。
「よう兄ちゃん!!やってかねえか!?」
突然後ろから肩をつかまれ、フウリはビックリして振り返った。
デカイヒゲもじゃの男がニコニコと立っている。
「そのほっそい腕じゃ、無理かもしんねぇけどよ、そのツラであの辺の女連中を盛り上げてくれよな」
フウリはもともと結構な美少女なのだ。
確かに腕相撲をしている男達を囲んでいる女の子達は何か物足りなさそうだ。
「い、いや、俺は別に」
あわてて首をふったが、腕をがっちりつかまれた。
「よっしゃー!!行けー!!ウィルー!!」
「お、おい!!ラウト!?」
ラウトに背中を押され、男に腕を引っ張られ、フウリは人だかりの中央に出されてしまった。
ちょうど勝負が終わったところで、席が空いてしまった。
男が何やら主催者っぽい男に耳打ちして、フウリを椅子に座らせた。
とたんに、周りの女の子から歓声が上がり、「頑張ってー!」だの声援が飛んできた。
今さら「無理です」なんて言えない空気だ。
ヒゲもじゃの男がフウリに耳打ちした。
「お前の挑戦料払っといてやったからな。せいぜい粘って盛り上げてくれよ。」
「ウィル、頑張れ!!」
かたわらに立っているラウトが叫んだ。
仕方ない。できるだけ手加減、手加減と…
相手の男の手を握り、できるだけ力を抜く。
「それではいいですか?レディ…ゴー!!」
ぶらぶらと店の並ぶ道を歩きながらフウリはそんな事を思った。
それにしてもロアの変装術はすごい。フウリの写真は世界中に広まっているのだが、誰も気づかない。後はフウリ自身がボロを出さなければいいだけだ。
「なぁウィル!!見ろよこれ!」
しばらくフウリは自分が呼ばれている事に気がつかなかった。
「おい、ウィル!!」
ラウトに袖を引っ張られて思い出す。
男装している間はフウリはウィルなのだ。
「ん、ゴメン。何?」
「これこれ!!」
ラウトが指さした看板に『腕相撲、十人抜きした者に賞金!!』
と書いてある。
この人だかりはこれか。
「ウィルやったら?」
フウリは手をヒラヒラとふった。
「ダメダメ。わた…俺、こういうこと興味ねぇ」
それに、とフウリは呟いた。
「相手の腕、折っちゃうかもしれないし」
フウリはもともと戦闘用に鍛えられたから手加減というものを素手でするのは難しいのだ。
「よう兄ちゃん!!やってかねえか!?」
突然後ろから肩をつかまれ、フウリはビックリして振り返った。
デカイヒゲもじゃの男がニコニコと立っている。
「そのほっそい腕じゃ、無理かもしんねぇけどよ、そのツラであの辺の女連中を盛り上げてくれよな」
フウリはもともと結構な美少女なのだ。
確かに腕相撲をしている男達を囲んでいる女の子達は何か物足りなさそうだ。
「い、いや、俺は別に」
あわてて首をふったが、腕をがっちりつかまれた。
「よっしゃー!!行けー!!ウィルー!!」
「お、おい!!ラウト!?」
ラウトに背中を押され、男に腕を引っ張られ、フウリは人だかりの中央に出されてしまった。
ちょうど勝負が終わったところで、席が空いてしまった。
男が何やら主催者っぽい男に耳打ちして、フウリを椅子に座らせた。
とたんに、周りの女の子から歓声が上がり、「頑張ってー!」だの声援が飛んできた。
今さら「無理です」なんて言えない空気だ。
ヒゲもじゃの男がフウリに耳打ちした。
「お前の挑戦料払っといてやったからな。せいぜい粘って盛り上げてくれよ。」
「ウィル、頑張れ!!」
かたわらに立っているラウトが叫んだ。
仕方ない。できるだけ手加減、手加減と…
相手の男の手を握り、できるだけ力を抜く。
「それではいいですか?レディ…ゴー!!」
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