海賊と鬼使い 14
ドゴォォォン!!!!
「ウギャァァァァ!!」
すさまじい音と悲鳴が上がった。見ると、フウリが倒した男の手が台を破壊していた。
(あれぇ…?まだ強かったのかな?)
フウリは首をひねったが辺りの空気にハッと気づいた。
ワッと歓声が上がり、ヒゲもじゃ男に肩をバンバンと叩かれた。
「お、俺もういいですか。賞金いらねぇから」
立ち上がろうとしたフウリをラウトがおさえた。「えー!!なんでだよ!!せっかくだから賞金もらってこーぜ!!」
「連れのいうとおりだぜ兄ちゃん!!最後までやってけよ!!」
結局、フウリはその後も勝ち続けた。
そして最後の一人という時に…
「ん?面白そうだな。やらせてくれよ。」
聞き覚えのある声に振り返るとそこにいたのは、
「カイル!?」
「んあ?フウ…ウィルじゃねぇか。もしかしてお前が相手か?」
突然現れたもう一人の美少年に女の子達のテンションが最高値に達した。
カイルは嬉しそうに椅子に座ると、言った。
「相手がお前で良かったぜ。本気出しても壊れそうにないしな。」
「こっちだって。」
二人は笑い合うと手をとった。
「それでは行きますよ…レディ…ゴー!!!」
主催者の掛け声とともにフウリの腕にとてつもない重さがのしかかった。
とっさに腕に力を入れてなかったら折れていたかも知れない。
フウリは体がゾクゾクとするのを感じた。
たかが腕相撲なのに、命の取り合いをしているような、この感覚はなんだろう。
その感覚はフウリにとって心地良い物だった。
(―負けられない)
そう思った。
危険な賭けだがアレをやってみよう。
カイルなら多分、大丈夫だ。
フウリは腕をフッと脱力した。カイルはその隙を見逃さない。
一気に倒される。
(今だ!!)
フウリは腕に力をこめた。大きな脱力から生まれた反動はとてつもなく大きかった。
カイルの手を押し戻す。
(勝った…?)
だがカイルの手はギリギリで耐えた。
そこから徐々に押し戻していく。
その時、視界がフッと暗くなった。太陽が雲に隠れたのだ。
とたんにカイルの力が何倍にも膨れ上がる。
ドゴォォォン!!
(ま、負けた…)
倒された自分の手を見てフウリは脱力した。
「あ〜…腕いてぇ。やっぱつえーな、ウィルは」
カイルが腕を振りながら言った。
その顔は相変わらず嬉しそうに笑っている。
「楽しかった。」
フウリも笑い返した。
「ウギャァァァァ!!」
すさまじい音と悲鳴が上がった。見ると、フウリが倒した男の手が台を破壊していた。
(あれぇ…?まだ強かったのかな?)
フウリは首をひねったが辺りの空気にハッと気づいた。
ワッと歓声が上がり、ヒゲもじゃ男に肩をバンバンと叩かれた。
「お、俺もういいですか。賞金いらねぇから」
立ち上がろうとしたフウリをラウトがおさえた。「えー!!なんでだよ!!せっかくだから賞金もらってこーぜ!!」
「連れのいうとおりだぜ兄ちゃん!!最後までやってけよ!!」
結局、フウリはその後も勝ち続けた。
そして最後の一人という時に…
「ん?面白そうだな。やらせてくれよ。」
聞き覚えのある声に振り返るとそこにいたのは、
「カイル!?」
「んあ?フウ…ウィルじゃねぇか。もしかしてお前が相手か?」
突然現れたもう一人の美少年に女の子達のテンションが最高値に達した。
カイルは嬉しそうに椅子に座ると、言った。
「相手がお前で良かったぜ。本気出しても壊れそうにないしな。」
「こっちだって。」
二人は笑い合うと手をとった。
「それでは行きますよ…レディ…ゴー!!!」
主催者の掛け声とともにフウリの腕にとてつもない重さがのしかかった。
とっさに腕に力を入れてなかったら折れていたかも知れない。
フウリは体がゾクゾクとするのを感じた。
たかが腕相撲なのに、命の取り合いをしているような、この感覚はなんだろう。
その感覚はフウリにとって心地良い物だった。
(―負けられない)
そう思った。
危険な賭けだがアレをやってみよう。
カイルなら多分、大丈夫だ。
フウリは腕をフッと脱力した。カイルはその隙を見逃さない。
一気に倒される。
(今だ!!)
フウリは腕に力をこめた。大きな脱力から生まれた反動はとてつもなく大きかった。
カイルの手を押し戻す。
(勝った…?)
だがカイルの手はギリギリで耐えた。
そこから徐々に押し戻していく。
その時、視界がフッと暗くなった。太陽が雲に隠れたのだ。
とたんにカイルの力が何倍にも膨れ上がる。
ドゴォォォン!!
(ま、負けた…)
倒された自分の手を見てフウリは脱力した。
「あ〜…腕いてぇ。やっぱつえーな、ウィルは」
カイルが腕を振りながら言った。
その顔は相変わらず嬉しそうに笑っている。
「楽しかった。」
フウリも笑い返した。
感想
感想はありません。