空〜vor2〜
「それとだな、転入生の岩井美花さんも5組だ」
「「イエーイ」」
「「5組で良かったー」」
大袈裟だろ。
顔も知らないくせに。
可愛いって聞いただけで、そこまで興奮するなんてバカだろ…。
「ラッキーだな、壱樹」
「そ?」
「会ったらさっそくメアド聞こ♪」
呆れる…
今からクラス移動。
全員でやったらごちゃごちゃになるから一クラスずつだってよ。
「だりー」
「そんなこと言うなって♪可愛い女子いたらいいな〜」
「雅輝は女ばっかだな」
「んなことねぇよ?付き合った数わりと少ねぇもん。確か…5人だったぜ」
「へぇ…」
「壱樹は1人だって?七海ちゃん」
「あぁ…」
「すげーよな、中1からだろ?」
「まぁな」
「ってごめん!思い出させて」
「いいよ」
「壱樹はかっこいいからすぐ彼女できそうだな」
「雅輝のほうがかっこいいだろ」
「そう?じゃあお互い様ってことで♪」
「そうだな!」
七海、俺後悔してねぇよ。
七海のおかげで、恋の楽しさがよく分かった。
七海がいたから、毎日学校が楽しかった。時には風邪で学校を休んだりしたけど、文字で元気さを教えてくれた。
…本当に大好きだったよ。
「別れよう」って言われたときは、喧嘩したときの罪悪感が残ってた。
七海と別れた直後、俺のなかにすっぽりと大きな穴があいたんだ。
そのとき気付いたけど、七海は俺のなかに居なくてはいけない存在だった。本当に…特別な存在だった。
俺にとって、体の一部みたいなもんで…
今でも七海が居なくて寂しいよ。
出来れば、俺の元に戻って来て欲しい。
愛してるから…
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