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知ってるよ。30

[331]  やまだ  2006-08-21投稿
知ってるよ。

あなたがあの人を一生懸命追い掛けてること。

でも、あなた知らないでしょ。
あたしもあなたを 追い掛けてること。



――…30…――



昨日は1日中ずっと麦茶を作って、球拾いして…

『足腰痛くなっちゃった…。』

シップだらけの手足をさすりながら、あたしはボールを磨いて練習場のベンチに座っている。

『ちょっとでも役に立ちたいもんねー…ボールくらい磨かないと…』


昨日の"おつかれ"の一言が、なんだかすごく嬉しかった。

マネージャーでもないのに思い上がってしまったりして


『あたしも行きたいなぁ…甲子園…』


なんてつぶやいてみた。


『沢木って野球好きだったんだ?』
『ん?』


隣でボールを磨いていたのは


『鈴木くんいつから!?』

やっぱり鈴木くんだった。


『ちょっと前からいたけど。』
全然気がつかなかった…。


『今日も練習頑張らないとだなぁ。』



泉先輩を甲子園に連れてくため、だよね。


『…うん…頑張ってね。』
『ありがと。』



あたしは


応援なんかしたくないのに

"頑張ってね"なんて口走ってた。

鈴木くんはいつもあたしを困らせる。



『甲子園、沢木も見にきてね。』
『……え?』
『せっかく練習来てくれたんだしさ。』


困らせるんだ。


いつも いつも。


『もちろんだよ。』


あたしを泣かせて


『よーし!頑張るぞー!』


あたしを困らせて


あなたが追い掛けてる人を知ってるのに


あたしはしつこく


あなたを追い掛けてしまう。


疲れたって つらくたって


追い掛けちゃうんだ。

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