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番外編 スカバンburn!! うちの特等席 (2/5)

[314]  きゃしー  2010-03-22投稿


「“先生”はおらんの?」

「“先生”は遠くへ行っちゃってん」


呼び名は違っても、うちのお父さんはタケにとっても父親。勝手にそう思ってた。でも、うちのお父さんが死んだ時、タケは一度も泣かなかった。

本当の父親じゃないから悲しくないの?

なんか、裏切られたみたいな気持ちがした。兄弟だと思ってたのに。


だからその夜、寝つけない晴香をなだめるタケを見つけた時、うちはバカだったと思った。


「なんで?なんで遠くに行ったん?」

「…なんで…やろなあ」


タケの目に滲む涙。


「タケちゃん?」

「ああ、ごめん。ほら、はるかもそろそろ寝な。」

タケに抱きあげられたまま目を閉じる晴香。



そっか、
タケはずっと泣けなかったんや。この家にはまだ独りじゃ生きれない子どもがたくさんいる。なのに、うちもお母さんも悲しみに暮れるばっかりで、そんな中、タケだけが支えてくれてたんや。


“大丈夫”

“任せて”


このタケの口癖がどれだけうちを支えてくれていたのか、やっと気付けた気がした

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