ミルトニア最終回
夕陽がしだいに凛を照らし凛の姿は、シルエットだけになった。
由宇には、凛の姿も表情すらもわからない。
ただ…シルエットとチェロの響きだけが由宇に届いていた。
マスターが由宇に近寄って来た。
「凛ちゃんはねぇ。この瞬間を君に見せたかったんだよ。わかるかい?」
そう言うとカプチーノを由宇に差し出し、戻っていった。
(この瞬間…?)
由宇は、考えた。
凛と出会ってから、今までの事を思い出しながら。
「…そっかぁ…。」
由宇は、わかった。
目に見えるもの、目に見えないもの、みんな一緒って言っていた答えだった。
それは…。
人を思いやる心、感情、そして、愛情。
由宇は、凛の心の言葉をやっと理解できた。
由宇は、自分が感じる精一杯の心を凛の演奏を聴く事で伝えようと思った。
演奏が終わった。
マスターが窓際にテーブルを運んでくれて、いつもの店内に戻った。
「どうだった?」
凛の言葉に
「ありがとう。俺…初めて言葉に表せない感情が込み上げて来ちゃったよ」
由宇は、恥ずかしかった。
「由宇君。私もあなたももっと心磨かないとね!私、前向いて笑えるようになりたい…。」
凛は、由宇が見た中で一番素敵な笑顔だった。
「留学いつ終わるの?」由宇は、聞いた。
「あと…3年…帰って来たら、私なんておばちゃんにみえちゃうんじゃないの?由宇、20歳かぁ。モテモテだろうね」
「大丈夫。今でもモテてるから…。そんなに変わらないょ」
「相変わらず、いやみ?」由宇の言葉に凛は、大笑いをした。
「ねぇ、俺…待ってるよ。自信あるかって聞かれたら、そんなにないけど…。それが、俺の心の宿題だと思うから…。」
「…。」
凛は、黙って聴いていた。
「3年後の今日ここで逢えたら、そこから始めよう。約束じゃない。お互いの心の宿題が解けたらきっとまた逢えると信じてたいから…。」
由宇の言葉に凛も頷いた。
凛は、留学先に帰った。
3年後…。
「由宇君。おはよう」
「キャァ!由宇先輩ょ」相変わらず、由宇への黄色い声は、飛び交っていた。
由宇は、そんな声に見向きもせず、あの喫茶店に向かった。
「あぁ、由宇君。あの席だね。どうぞ」
由宇は、カプチーノを注文した。窓の外の夕陽は、あの時と同じくらきれいだった。
(カランカラ〜ン)
喫茶店の扉が開くと、夕陽に照らされたその人は、杖を頼りにあの席に向かっていた。
(終)
由宇には、凛の姿も表情すらもわからない。
ただ…シルエットとチェロの響きだけが由宇に届いていた。
マスターが由宇に近寄って来た。
「凛ちゃんはねぇ。この瞬間を君に見せたかったんだよ。わかるかい?」
そう言うとカプチーノを由宇に差し出し、戻っていった。
(この瞬間…?)
由宇は、考えた。
凛と出会ってから、今までの事を思い出しながら。
「…そっかぁ…。」
由宇は、わかった。
目に見えるもの、目に見えないもの、みんな一緒って言っていた答えだった。
それは…。
人を思いやる心、感情、そして、愛情。
由宇は、凛の心の言葉をやっと理解できた。
由宇は、自分が感じる精一杯の心を凛の演奏を聴く事で伝えようと思った。
演奏が終わった。
マスターが窓際にテーブルを運んでくれて、いつもの店内に戻った。
「どうだった?」
凛の言葉に
「ありがとう。俺…初めて言葉に表せない感情が込み上げて来ちゃったよ」
由宇は、恥ずかしかった。
「由宇君。私もあなたももっと心磨かないとね!私、前向いて笑えるようになりたい…。」
凛は、由宇が見た中で一番素敵な笑顔だった。
「留学いつ終わるの?」由宇は、聞いた。
「あと…3年…帰って来たら、私なんておばちゃんにみえちゃうんじゃないの?由宇、20歳かぁ。モテモテだろうね」
「大丈夫。今でもモテてるから…。そんなに変わらないょ」
「相変わらず、いやみ?」由宇の言葉に凛は、大笑いをした。
「ねぇ、俺…待ってるよ。自信あるかって聞かれたら、そんなにないけど…。それが、俺の心の宿題だと思うから…。」
「…。」
凛は、黙って聴いていた。
「3年後の今日ここで逢えたら、そこから始めよう。約束じゃない。お互いの心の宿題が解けたらきっとまた逢えると信じてたいから…。」
由宇の言葉に凛も頷いた。
凛は、留学先に帰った。
3年後…。
「由宇君。おはよう」
「キャァ!由宇先輩ょ」相変わらず、由宇への黄色い声は、飛び交っていた。
由宇は、そんな声に見向きもせず、あの喫茶店に向かった。
「あぁ、由宇君。あの席だね。どうぞ」
由宇は、カプチーノを注文した。窓の外の夕陽は、あの時と同じくらきれいだった。
(カランカラ〜ン)
喫茶店の扉が開くと、夕陽に照らされたその人は、杖を頼りにあの席に向かっていた。
(終)
感想
- 37706: このあとの展開がどうなるか教えて?めっちゃくちゃ感動した。 [2011-01-16]