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alone 10=義手ではなく=

[350]  兼古 朝知  2010-03-24投稿


晶はヒイラギと名乗った少年をまじまじと見る。

切れ長の目に、黒髪、黒い瞳、黒い服。何もかもを黒で統一されている中、口元を隠すように巻いたマフラーは青い。
そして何より目立つのは左手…。義手…いや、手の代わりに刃がついている。鎌状の刃がついているのだ。


(ヒイラギ、ケイ?水鶴の従者か!)

晶は、自身の首の傷口をを押さえる。

「死んでもらう…ぞ」

ボソリと呟くように言い、圭は左腕を振り上げ、真っ直ぐ晶の方へ向かう。

――ガギッ!!

「くッそ…!!」

晶は持っていた刀で応じ、辺りに鋭い音が響く。

「待てよ!!おい、柊!!」

「待つ理由は何処にも…ない」

晶の言葉に一切応じず、圭はニ撃、三撃 加えていく。

「あぁもうッ!!俺は争おうなんて思ってねーんだよ!!」

慣れない鎌状の刀の軌道に戸惑いながら、防ぎながら、晶が言うと…

「本当にか?」

傍観していた水鶴が言った。

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