携帯小説!(PC版)

回転木馬

[485]  となりのトトりん  2010-03-26投稿
メリーゴーランド


くるくる廻る木馬の上で
俯く私と
決して振り向かぬ貴女

幾百くるくる廻っても
貴女には追いつけないですね。

私はくるくる廻る木馬の上で
ただ同じ場所を通り過ぎているだけ


いつか並んで一緒に廻りたいけど
今は手を繋ぐことなど叶わぬままだから

私の手は宙を
何度も何度も
引っ掻いている


勇気を出して
顔をあげてみたけれど
貴女は違う何かを
見つめていましたね


これからもすぐ後ろで廻る
私の存在に気付くこともないでしょう。


実はそれでも良いのです。
本当は貴女が何を見ているか
気付いているけど
知りたくないだけなのです。

やがて時間が来て
止まってしまう回転木馬の上で
私はいつも手を伸ばしているだけ


実はそれでも良いのです。

まだ回転木馬の上で
共に廻ることができるのであれば
私の意思で
降りることはできないでしょう。

これからも

例え幾千くるくる廻っても
貴女には追いつけないけれど
今はまだ
自分からは止められないのです。

いつまで廻っても
決して貴女と並んで
手を繋ぐことはできないけれど

私はそれでも良いのです。

貴女の手は
私の手と繋ぐために
あるわけじゃないから。

私はそれで良いのです。

いつまでくるくる廻っても
誰も
誰にも追いつけない
悲しい
悲しい
回転木馬

いつかは止まる
切ない
切ない
回転木馬

感想

感想はありません。

「 となりのトトりん 」の携帯小説

詩・短歌・俳句の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス