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番外編 スカバンburn!! またな、“ワイルド・ワン” (5/7)

[316]  きゃしー  2010-03-26投稿

「…はは…、笑い話にもならない…な」

「父親助けといて、自分死ぬってなあ…」


葬式にはかなりの人がいて、あいつがどれほどいい奴だったのか思い知った。


けど、あいつの父親はおらんかった。


俺は、あいつの父親に会ったことはない。どんな奴か聞いたことしかない。


でも、もしそいつがこの会場にいたら、殴りかかってたかもしれへん。


達也の命の上に、あんなだらしない父親が生かされてると思うと、胸が詰まった。


テツの俺の嫌いな煙草のにおい。葬式独特なこのにおい。


こんなとこに居たくない。



その時、俺ははっとして周りを見渡した。


「…隆一?」


俺はその場を離れ、あいつを探した。


慶太郎はどこや


しばらく歩き回り会場の外で段差に座る慶太郎を見つけると、黙って隣に座った。慶太郎は俺の方を見向きもしなかった。ただ、足下に転がる石を拾っては投げ、拾っては投げ、そんな無意味な行為を繰り返していた。

「…どうするん?…バンド」

しばらくして、慶太郎が口を開いた。

「…分からん…でも、あいつがドラマーじゃないバンドなんて…続けたくねえよ」

またしばらく互いに黙った。

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