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瑠海とショール?

[321]  萩原実衣  2010-03-27投稿
ショールの物凄いスピードに、目を閉じてしがみついているのが精一杯だった。

ショールが一気に浮上した。

「ぷあぁ!ショール!殺す気かい?」

「クウィ」

ショールは、鼻先で僕をつついた。

そこは、島の森の中だった。
木々が揺れ陽射しを揺らし、海のなかは、見たことがない色んな色をみせてくれていた。

「わぁー綺麗だなぁ〜!ショール!僕こんな海見たことないや」

ショールは、楽しそうに潜ったり、回転したりして遊んでいた。

ショールは、僕にも遊べと何度も 鼻先でつついたんだ。
(もしかして…)

ショールは、頭のいいイルカだ。
僕をはげますために自分のお気に入りの場所に連れて来たのに違いない。
「ショールありがとう。ここは、君のお気に入りの遊び場何だね!連れて来てくれてありがとう」
僕は、森に 上がってみた。
樹ばっかりが、生い茂っていて他は何にもなかった。

僕は、もう少し、進んでみることにしたんだ。
ちょっと小高い丘があって、登った。
「あれっ?あれは…診療所?」

そこからは、僕の住んでいる地区がよく見えた。
ビックリしたことに、いつも肉眼では、見えない周りの島や本島が見えたんだ。
僕は、この島を出たことがない。

学校は、分校があって今は4人通っているんだ。
こんなに周りに島があることに驚いた。
(かあちゃんは、どの島から、来たんだろう)
そんなことを考えちゃった。

陽が夕焼け色に変わりそうだったから、ショールのところに戻った。
「ショール!帰ろう」
「クウィ!」

ショールは、僕を乗せて来た道を帰った。
家に帰ると、じっちゃんが戻っていった。
「ただいま…。」
「おぅ〜。今から夕飯準備だ。瑠海!めし とげ」じっちゃんは、久しぶりに肉がいっぱい入ったカレーを作ってくれたんだ。
1ヶ月ぶりなんだ。
こんなにたくさんのお肉!
あまりに美味しくて2杯も食べちゃった。
僕は、じっちゃんに今日の事をいっぱい話したんだ。
じっちゃんも知らない場所だった。

「丘の上から、周りの島や本島が見えたょ。」

その話しをすると、じっちゃんは僕を見つめたんだ…。

「瑠海、明日、さとばばのところに行くんだってなぁ…。」

きっと、診療所の帰りにさとばばちゃん家寄ったんだ。

「さとばばの話しの後、清海に逢いたいなら…。診療所さ来い…。」

じっちゃん少し寂しそうな目だった。

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