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幸運の女神-第二部 3

[474]  朝倉令  2006-08-22投稿


“プルルルル…”


峠昭彦は電話の呼び出し音に、夢の世界から引き戻された。



「…はい、…峠です。
村岡さん?  こんな時間(昼間)にお電話なんて、どうしたんですか?」


『あ、寝てるとこ済まなかったな昭彦。 今度のライブの件なんだけど、ちょいと雑誌の取材に応じてくれねぇか?』


「…お話が見えないんですけど、村さん」


『いや、何、今度〈サウンドライフ〉って月刊誌でアマチュアバンドの特集も組む事になってね。
お前らの事イチオシって売り込んじまったのさ』


「はぁ、……(眠い…)」


水商売の峠昭彦にとり、昼間というのは真夜中に相当するものである。







「…と言う話が突然舞い込んで来た訳です、ウチに」


「昭彦さん、ここの皆さんとプロデビューするんですかぁ?」


「いや、ノリマキちゃん、違うみてー。
取材だけだろ?昭彦よ」



石島康介の言葉にいち早く反応した品川恵利花。


「あはははっ!ノリマキ(くのりまき、の事)だって〜、何か可愛いね♪」

「わたし、海苔巻作るの得意ですよ〜?」

「ヒナ、食べるの得意ーっ」


「君たち、…それ、会話になってないぞ?…」



平和だなァ…、と呆れながら俺、倉沢諒司はそのちぐはぐな会話に参加していった。





次回のライブ…と言っても仕事やバイト、それに学校のある俺たちに、ソロなんて出来っこない。


ま、クワトロの奴らとジョイント(今で言うコラボ)になるのがお決まりのパターンだ。


クワトロってのは、かつて石島康介がリーダーをつとめていたバンドで、いわゆる『お笑いパンク系』の連中だ。


演奏の実力は、〈天才〉の康介に支えられていた、と言えば想像がつくはず。



そんな訳で、奴らの本分は関西ノリのベタなトークにあると言っても過言ではない。




一応、……バンドなんだけど。






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