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alone 20=もういい=

[374]  兼古 朝知  2010-03-29投稿


「い゛っでぇ…!!…だ いじょう ぶか?夕…」

晶だった。
夕の前に立ちはだかった晶の背に、赤い線が大きく入り、そこからじわじわと赤色が広がっていく。

晶は夕に笑いかけたが、その表情を見て余計に夕が固まった。

「晶あんた…!!何で、何で…!?」

夕は泣きそうな顔で言う。

「お前は…ぐ、ぅう、沢井のオッサン…診てやんなきゃ…いけねーんだろ…!?早く…行って、きやがれ…」

「でも…でも!!」

「早くしねーと手遅れになるだろうが!!俺はいいから!!」

晶の大声に、弾かれたようにして夕は立ち上がった。

「…ごめん、ごめんね晶…すぐ戻ってくるから…!!」

夕は走り去っていった。
圭がそれを追いかけようとする。

「柊!!」

「!」

水鶴の声に反応し、圭は動きを止めた。

「もういい…晶も仕留めなくていい。殺す気が失せてきた…」

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