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魔界拳銃と彩

[345]  突然覚醒  2010-03-29投稿
春休みが終わり西口彩は幼なじみの佐々木春菜と近藤高広と一緒に高校の入学式に向かっていた。暖かい春の風が優しく吹いていた。まさかこの風が最悪の高校生活を運ぶ風だとはこの時は夢にも思ってなかった。
彩はこの高校に2位で入ったいわゆるエリートだ。でも彩はこのことに満足を覚えたことはない。なぜなら、いつも1位は春菜だからだ。常日頃彩は考えている「春菜なんて死ねばいい」と。ただ彩は殺すわけにはいかない。一応エリート路線を走っていると思っているからだ。あながちそれは間違いではなかった。だからこそ自分の手は汚せなかった。イライラだけが続く生活。それが彩の中学生活だった。
この日彩は一人だった。春菜は風をひき、高広は法事とかで遠くへ行ったからだ。一人で帰っていると、反対から一人の人がやって来た・・・・
男か女かそもそもこの世のものか判断できない。ただひとつ言えるのは怪しいということだった。不意にその人が話し掛けてきた。そして「これをあげよう」そういって人はモノを渡して消えてしまった。
しばらく意味がわからなかった。モノを見てみると、紙と拳銃だった。紙にはこう書かれていた。
「まず、私はこの世のものではない。私は魔人だ。そして、その拳銃もこの世のものでない。この拳銃で撃った人は初めからこの世にはいなかった人となる。つまり殺人にはならない。おまえが最も欲しかったのはこのようなものだろ。」と
彩は決めた「これで春菜を撃つ」と
次の日、春菜はいつもの待ち合わせ場所にいた。やるなら今。彩は春菜を撃った。その時高広が春菜の前に来てしまった。弾丸は高広に当たった。高広は消えた。彩は困惑のあまり泣いてしまった。でも春菜は、いやこの世の人全員がなぜ彩が泣いてるのかわからない。彩は突然叫び次の瞬間自分を撃った。
彩は消えた。
魔人はニヤニヤ笑っていた。そして、「次はこの人にしましょう」そういって拳銃を誰かに渡した。
「人間は弱いですねぇ」そういってどこかに消えていった。

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