いつもの場所で37
義人とかすみの顔合わせの日、仕事終わりの哲彦の携帯が鳴った。
麻由からである。
「今話せる?」
「もちろん。もう仕事終わって、家に帰ってきてるよ」
「ごめんね。何してるのかなあって思って…迷惑だったかな?」
「そんなわけないだろ。迷惑だなんて思わないよ。こんな…こんなおじさんに好意もってもらえるだけでもありがたいんだからさ。俺にはそんな遠慮いらないよ」
「ほんとに?」
「ああ」
麻由は、不安を感じていた。
距離的なこともそうだが、いつか 永遠に離れてしまうのではないかと…
それだけ、他の客には抱いていない感情を、哲彦には感じていた。
麻由自身、どんどん哲彦への思いが日増しに募っていくことを自覚していた。
「ねぇ、もしもだよ…」
「もしも?」
「うん…私が今哲さんのもとに行きたいって言ったら、受け止めてもらえるのかなあ?」
「受け止める?それって…」
「うん…そういうこと」
「…それって、自分の将来のこととか全てを犠牲にしてかい?」
「そういうことかなぁ」
哲彦は、申し訳なさを感じた。
麻由は、福祉の勉強をするために学校に通っている。
夜の店で出会ったとはいえ、自分に出会った為に、麻由にそこまで言わせてしまっていることに…
「…福祉の為に勉強してんだろ。そんな簡単に捨てるな。それに俺は、目的を達成した後で、まだ俺に対して感情があるなら待つからさ」
「本当に?」
「ああ」
麻由は少し安心して、電話を切った。
哲彦は、麻由に対しての申し訳なさと同時に、義人とかすみのことも気になっていた。
それだけ、自分のなかで、感情が揺れていた。
それを見透かしたのような麻由からの電話で、今の自分の心は、どこにあるのか気づかされたようなものである。
恋愛に対して、ある程度壁を作っている哲彦と義人の、変化が、あの時の出会いから変わっていっている。
だが、本当の思いはなかなか伝わらないものである。
哲彦が、かすみに対して抱いている感情と、義人がりおに対して抱いている感情と…
麻由からである。
「今話せる?」
「もちろん。もう仕事終わって、家に帰ってきてるよ」
「ごめんね。何してるのかなあって思って…迷惑だったかな?」
「そんなわけないだろ。迷惑だなんて思わないよ。こんな…こんなおじさんに好意もってもらえるだけでもありがたいんだからさ。俺にはそんな遠慮いらないよ」
「ほんとに?」
「ああ」
麻由は、不安を感じていた。
距離的なこともそうだが、いつか 永遠に離れてしまうのではないかと…
それだけ、他の客には抱いていない感情を、哲彦には感じていた。
麻由自身、どんどん哲彦への思いが日増しに募っていくことを自覚していた。
「ねぇ、もしもだよ…」
「もしも?」
「うん…私が今哲さんのもとに行きたいって言ったら、受け止めてもらえるのかなあ?」
「受け止める?それって…」
「うん…そういうこと」
「…それって、自分の将来のこととか全てを犠牲にしてかい?」
「そういうことかなぁ」
哲彦は、申し訳なさを感じた。
麻由は、福祉の勉強をするために学校に通っている。
夜の店で出会ったとはいえ、自分に出会った為に、麻由にそこまで言わせてしまっていることに…
「…福祉の為に勉強してんだろ。そんな簡単に捨てるな。それに俺は、目的を達成した後で、まだ俺に対して感情があるなら待つからさ」
「本当に?」
「ああ」
麻由は少し安心して、電話を切った。
哲彦は、麻由に対しての申し訳なさと同時に、義人とかすみのことも気になっていた。
それだけ、自分のなかで、感情が揺れていた。
それを見透かしたのような麻由からの電話で、今の自分の心は、どこにあるのか気づかされたようなものである。
恋愛に対して、ある程度壁を作っている哲彦と義人の、変化が、あの時の出会いから変わっていっている。
だが、本当の思いはなかなか伝わらないものである。
哲彦が、かすみに対して抱いている感情と、義人がりおに対して抱いている感情と…
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