携帯小説!(PC版)

低温

[355]  あおる  2010-03-30投稿
たちこめる煙の中で
二人はそっと敷き詰める
静かに鈴蘭の枯れゆく末路を…

一緒にいたはずの青のスコップに書いた名前

『時間がない』
高鳴る想いは濁ったブラックホールに飲み込まれていく

どんな人の中にいるあたしよりも
二人の中にいるあたしをちゃんと覚えていてほしい…

せつなくなる痛いハーブティー
霞んでいくタマネギ切った後の涙で
分け合った暮らしと共に二人で消そう

『未来がない』
冷めたハーブティー
お互いの顔をじっと見つめて

あと一回抱きしめあったら最後になるだろう…から

何も言わないでおこうね
忘れるためには全部必要なことだから

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