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alone 23=その腕は=

[332]  兼古 朝知  2010-03-31投稿


「…圭。…柊 圭」

晶は水鶴の背中越しに、圭を呼んだ。

「何…だ?」

低く、掠れた声で圭が返事をする。

「お前のその腕は…どうして…?」

晶は圭の左手の鎌のことを言っていた。
その瞬間、晶を背負う水鶴の体が少し強ばった。

「お前には関係の無いこと…だ」

「ははッ…。言うと思ったけどな」

晶はそれ以上追求しなかった。
水鶴の体が強ばったのに気づいたからだ。

言いたくない経緯(いきさつ)がある。それだけわかれば十分だった。

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