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七日七晩の慟哭3

[350]  伯修佳  2006-08-22投稿
菜那は普段から確かに見知らぬ他人から良く話しかけられるという不思議な特技?を持っている。17歳の女子高生で外見もそう悪くない、というオプションを付ければそれはナンパかと考えそうだが、幸か不幸か道を尋ねられるのが相場だった。とはいえ余程お人好しそうな顔をしているのか、たまに宗教の勧誘やキャッチセールスにも捕まる。この間なんて「5分でいいから私の悩みを聞いて下さい」と年配の男性に話し掛けられてしまい辟易した。
だから今日、彼女が人に話し掛けられる事も別段驚くには当たらない。
―はず、なのだが。
(太陽友の会、だって。しかも五回とも)
菜那が通う市立の高校は小高い丘の上にある。そう田舎町ではないと思うのだが、学校の教育理念の一つか周囲には今時コンビニ一つ無く、閑静な住宅街が丘の麓に広がるばかり。車社会だから買い物にはそう困るわけではないけれど、免許もない学生諸氏は毎日徒歩20分以上の坂道を通わなければならない。自転車通学も許可されてはいるが、相手が上り坂では朝は試練である。当然近い方がまだまし、と考える市民を見越して整理されたかのように周辺は建て売りの真新しい住宅も多い。

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