七日七晩の慟哭4
この辺りで古い建物と言えば住宅街のど真ん中にある町民会館位だ。会館は菜那の祖父がこの町に越して来た時すでにあったと言うから、ゆうに築40年は経っているだろう。小学生の頃夏に町内会のレクリエーションで泊まった経験があるが、その時やった肝試しとろくに明かりも点かない汲み取り式のトイレ、どちらがより恐かったかわからない。
(あんな場所でセミナーなんて、ますますもって胡散臭い)
道を尋ねた人びとは揃って同じ事を言った。「八木沢庚純(やぎさわこうじゅん)先生のご法話が、この辺りの会館で行われるそうなんですが、地図ではちょっとわからなくて。この辺りって結構込み入ってますよねえ」
込み入ってるも何も、地図には頂上の学校と『住宅街』と大きく型どられた範囲図の真ん中に丸い点で『会場』としか書かれていない。間違ってはいないが、アバウト過ぎる。ヒントの様なものだ。
そういったわけで、午後4時から行われる(もう覚えた)法話とやらの為に、菜那は同じ問いに同じ答えを繰り返す羽目になったのだった。
(あーさすがにウザい。早く帰って高田さんの所にでも遊びに行こう)
(あんな場所でセミナーなんて、ますますもって胡散臭い)
道を尋ねた人びとは揃って同じ事を言った。「八木沢庚純(やぎさわこうじゅん)先生のご法話が、この辺りの会館で行われるそうなんですが、地図ではちょっとわからなくて。この辺りって結構込み入ってますよねえ」
込み入ってるも何も、地図には頂上の学校と『住宅街』と大きく型どられた範囲図の真ん中に丸い点で『会場』としか書かれていない。間違ってはいないが、アバウト過ぎる。ヒントの様なものだ。
そういったわけで、午後4時から行われる(もう覚えた)法話とやらの為に、菜那は同じ問いに同じ答えを繰り返す羽目になったのだった。
(あーさすがにウザい。早く帰って高田さんの所にでも遊びに行こう)
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