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サンタの手袋?

[221]  あこ  2010-04-02投稿
僕はその差し出されたビール瓶を力無く受け取った。半分程残ったその黄色い、炭酸水を一気に飲み干す。ユイコは満足そうな笑みを浮かべている。

僕は喉が渇いていたのだ。からからに。慣れない大声を出したからか?それともこの状態に対する緊張が、僕を渇かせていたのか。


挑発的な目で見つめるユイコを無視して、冷蔵庫からウィスキーの小瓶を出して、そのまま口をつける。

酔ってしまいたかった。

酔って、眠って、目が覚めたら少しでもマシな状況になってるんではないか。

そういう甘えが生まれた。

ユイコはそんな僕の考えを見透かすように、声を出して笑った。

「あはは………っ、やけ酒?…………いいのかな〜そんなに呑んで。手元狂っちゃわない?」


「ねぇ、私の願いは簡単よ。貴方の、その胸ポケットに入ってる黒い、冷たいもので撃って欲しい。ただそれだけ。なんでそんなに苦しそうなの。」


僕はその声を聞かないように、ウィスキーを煽る。


「何とか言いなさいよ。」


喉が熱い。元々僕は、酒が強くない。一気に流し込んだアルコールのせいで、少しむせた。


その滑稽な姿がそんなに面白いのか、ユイコはまた大声で笑った。

嘲笑ではなく、透き通るガラスのようなそんな声で、カラカラと笑った。

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