言えないバイバイ 2話(全10話)
私がこうたと仲良くなったのは、このクラスが始まってまだ初めの頃。
登校するのが早すぎたある日の朝。
私はまだ馴染めない教室の席で、友達が来るのを一人待っていた。
教室にはまだ数人しか来ておらず、それぞれ会話することもなく、本を読んだり、暇を潰していた
「なんか元気なさそうやな」
「え…?」
突然声をかけられ、顔をあげるとそこにいたのがこうた。
「だって、いつもめっちゃ笑ってるやん」
かといって、今一人で笑ってたら変な人やろ
「あぁ…友達まだ来てないから暇やねん」
突然話しかけてきて何やねん、こいつ。って思ったけど、
「じゃあ俺が話し相手になったろうか?」
そう言って笑ったあいつの顔は、幼くて自然で、裏なんかなさそうで、なんかほっとさせられた。
「う…うん!」
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