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海賊と鬼使い 19

[316]  ホオズキ  2010-04-04投稿
「この辺りから『闇の者』の気配を感じる!!」
フウリはキョロキョロと辺りを見回しながら言った。
ここは北の森。暮雪の言ったとおり、ここは闇の空間に近いらしい。
ラウトが闇の者の近くにいるのなら、確実に闇の空間に引きずり込まれている。
「ウィル様!!この場所です。」
暮雪が立ち止まって言った。
「ここ?特に変わりない様に見えるわ?」
ロアが首を傾げる。
フウリは暮雪の指示する場所に手をかざしてみた。
「…あった!!」
フウリは手探りで見えない何かを掴むと、皆の方を振り向いた。
「皆!!闇の空間に入るぞ!!」
「わかった!!」
皆が頷くのを確認するとフウリは思い切り何かを引っ張った。
とたんに辺りは闇に包まれ、何も見えなくなった。


「皆、大丈夫?」
暗闇の中、フウリが声をかける。
「俺は大丈夫だ。」
「同じく。」
「私もなんとか…」
「私も大丈夫です」
全員無事の様だ。
暗闇で顔は見えないが、なんとなく気配は感じる事ができる。
「とりあえず、ラウトを探そう…」
カイルが途中で言葉を切ったのは、突然子供の声がしたからだ。
「来た!!」
フウリが呟いた。
しかし、姿は見えず声だけが響きわたる。
『…あなた達、あの子を取り戻しにきたのね。』
「そうだ。早くラウトを返せ。それと、あと二人もだ。」
ウフフ…と笑い声が聞こえる。
『いや。あんな自分勝手な人達の子供なんてどうなろうが関係ないわ。』
言葉が終わると同時に辺りにとてつもない殺気が広がった。
「ヤバい!!皆ふせろ!!」
フウリの声が飛んだ。

キキキキキィィン!!

辺りが静寂に包まれた。




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