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スラム part81

[494]  やいち  2010-04-05投稿
階段をかけあがり、いつものように修二を起こしに悠は修二の部屋にやってきた。

「修二〜起きろ〜。遅刻す…」
ガチャッ。
「わかってるよ。」
悠は驚きながら言う。
「修二が起こす前から起きてるなんて。」
「まるでいつも起きてないかのような言い方だな。」
「起きてないじゃん。」
「うるせぇ。」
修二はそういいながら洗面所に向かった。

洗面所には父さんがいた。「おはよう。」
「おぅ。」
会話はそれだけ。
あとは黙々と歯を磨いたり、顔を洗ったり。

父さんはあの大会の日のことを会話には出さない。
恥ずかしいのかどうかは知らないが、会話に出ないなら出ないで修二にはべつによかった。

「行ってくる。」
「おぅ。あぁそうだ。」
「なに?」
「今ごろ言うのも変やけどな…。」
「だからなに?」
父さんが含み笑いをしながら言う。
「優勢も一本も、同じ敗けなら変わらんで。」
「うるせぇ!!」

そのままリビングを通って玄関に向かう。
「行ってきます。」
「はい、行ってらっしゃい。」
母さんの返答を聞きながら玄関の戸を開けて家を出た。

なんだよ。
二日目も見てたのかよ。

そう考えながら、悠と一緒に家を出た。

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