携帯小説!(PC版)

トップページ >> ノンジャンル >> alone 35=紡いだ言葉=

alone 35=紡いだ言葉=

[344]  兼古 朝知  2010-04-06投稿


「!」

水鶴は目を覚ました。
あたりを見回すと、見慣れた己の部屋。生活に最低限の物しか置いていない、質素すぎる部屋。

(夢を、見ていた…)

自分の記憶と一切違わぬ夢。泣き虫な晶、明るい晴一、笑う自分…。

あの時の晴一の言葉。

『俺も優しくなりてーんだけどよ』
『ミッチーみたいにさ』

そして先刻の晶の言葉。

『お前は優しくて…俺と笑ったりしてて…。お前…変わったよ…』


(違う)

(どれも違う)

(私は、私は…)

水鶴は、先程まで見ていた夢での自分の言葉に続く言葉を紡いだ。

「私は優しくなんかないよ、晴一にぃさん…。今も昔も…」

(外見がどう変わっても。
笑うことを
やめたとしても。
冷たい表情しか
できなくなっても。
優しくないのは
昔から変わらない…。

私が笑うのは…
私が慰めたりするのは…
優しさなんかじゃなく…)

「ただ、嫌われるのが恐かっただけだ…」

ぽつりと、静寂の中で水鶴は呟いた。
そして水鶴は起き上がり、部屋を出ようと扉に手をかけた。


感想

感想はありません。

「 兼古 朝知 」の携帯小説

ノンジャンルの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス