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チンゲンサイ。<35>

[460]  麻呂  2010-04-07投稿

ラーメンをすすりながら俺は、


さっきの話の続きをユウに尋ねる事にした。



『ユウ。さっきの話の続きだが‥‥。

イジメられてるって一体どんな事をされてるんだ!?』



ラーメンをすする顔を上げ、


向かい側に座る俺に視線を合わせると、

ユウは、静かにゆっくりと口を開いた。


『もういいだろ。

親父に言っても、今の状況が変わる訳じゃないし。』



そう言って、俺から視線を外したユウに、


俺は、更にイジメについて問いただした。



『なぁユウ。

さっき、父さんに初めて、イジメについて話してくれたじゃないか。

今後について考えようにも、話してくれなきゃ分からないだろう。』



父親として、もっともらしい言葉だ。


しかし、こんな陳腐な言葉で、


我が子のイジメを解決したいという、親としての熱意が、


ユウに伝わるであろうか。


つくづく口下手な自分が嫌になった。





『キモイんだってさ。』



ポツリと漏らした言葉を俺は聞き逃さなかった。



『キモイって!?』


『あぁ。俺のやる事なす事、全てキモイんだってさ。

始めは、一部の女子の陰口だけだったのに、

段々、エスカレートしてきて、嫌がらせを受ける様になって、

それが、クラス全体に広がってった。

最近は、クラスのリーダー格のヤツから金をせびられる様になって‥‥‥。』



『何だって!?

ユウ、そんな大事な事、どうしてもっと早く、父さんに言わなかったんだ!?』


『‥‥‥‥‥。』





思わず、声を荒げてしまった。


この場は、ユウがイジメについて、話してくれた事だけでも、


大きな進歩だというのに。


そもそも俺は、毎日仕事に追われていて、


家庭を顧みる余裕すらなかったではないか。


俺が、声を荒げてしまった事に対して、後悔の念にかられていると、


ユウは、再びゆっくりと口を開いた。



『始めは、ただの嫌がらせだけだったから。

そのうち収まるって思ってたから‥‥。』

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