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alone 42=雨が降っていた=

[339]  兼古 朝知  2010-04-09投稿


「そりゃあ悪夢のわりには気になる点が残る夢だなぁ…」

晶は後ろに反り、伸びをしながら言った。

「でしょ?あの子って、やっぱり…」

「水鶴は確かに小さい頃 髪はショートだったぜ」

「じゃああの夢は…!!」

夕が青ざめると、晶は慌てて訂正する。

「え、えっと、正夢にはならないと思うぜ!?ほ、ホラ、ガキの頃の水鶴が現れるわけないだろ!?」

「でも…もしかすると何かの暗示かも…」

「気にすんなって!!」

「…うん」

晶の言葉に頷きながらも、夕の頭の中は不安でいっぱいだった。

空は薄暗く、強い風が吹いていた。日の沈む西の空は、雨雲に覆われていた。

「ねぇ晶」

「んー?」

「明日は雨かもね」

「そうかもなー」

「晶」

「んー?」

「…ううん、何でもないよ」

「んだよ、変なの」

「いいじゃん、別に」

晶と夕は笑った。




そして、翌日。
水鶴との約束の日。

この日は、
雨が降っていた。

先が見えなくなるほど、
雨が、降っていた。

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