駅のホームに着いて、電車が来るのを待っていた。

｢あっ！今日ミィと一緒に約束してんだった。｣
悠が思い出したような顔をして言った。
｢行ってこいよ。ミィなら待ってるだろうし。ホームのどっかにいるだろ。｣
修二が悠に言った。
｢そうする。悪いけど先行っといて。あっ、そこから乗ると電車がすいてるから、そこから乗れよ。｣
悠はそう言い残し走っていった。
悠の言うことだ。
あてにはしてなかったが、修二はそこで電車を待った。
来た電車に乗り込んだ。
ゆったりと電車で過ごしていた。

椿にはここのところメールを送っていない。
彼女のことが嫌いになったわけじゃない。
ただ、あの試合のあとから、恥ずかしくて送れない。メールの新規メール画面を何度見たことだろう。

｢修二くん？｣
不意に声が聞こえた。
見上げると目の前には椿が立っていた。
｢電車で会うのは久しぶりかな。｣
｢というより、大会の日以来、話もメールもしてへんもんね。｣
椿の表情が少し暗くなった。
今度はちゃんとメールを送ろう。
そしてたくさん話そう。
修二は心の中で誓った。
｢ほんとはミィちゃんもこの車両におるはずやったんやけど、悠くんと行く約束やったらしくて。｣

やっと話が結び付いた。
あいつら、気をつかってくれたのか。
いや、たぶんあいつらはあとで俺に会ってニヤニヤしながら聞いてくるんだろう。

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