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航宙機動部隊第四章・8

[457]  まっかつ改  2010-04-11投稿
《第一期七日(修正太陽暦一月一二日)・アリ=アリアンス宙沖》
漆黒の虚空に幾多の緑色の波紋が出現し、それは次第に大きくなりながらやがて安定した円を形成する。
そして、その奥からはそれぞれ純白の艦艇群が列を成して見渡す限りを埋め尽くした。
星系合衆国最外縁征討軍連合艦隊の先発隊・バクーシン集団だ。
『全艦隊に伝達。左右中三軍の陣形となれ』
旗艦《グロズヌイ》戦闘艦橋の司令座からバクーシン少々は指示を下した。
ここは帝国統合宇宙軍の勢力圏・シルミウム恒星系を望む要衝の地。
大部隊同士が時空集約航法を使って安全に兵力を展開出来るこの方面では限られた中継拠点なのだ。
両軍が決戦を望むのならば、地上で言えば広大な平原に当たるこの一帯こそがその場所となるであろう―連合艦隊サイドはそう判断し、いち早く制圧して地の利を確保しようと精鋭を派遣したのだ。
バクーシン集団は小一時間で陣容を整え索敵を開始して更に二0分後―\r
『偵察艇ウルバヌス三号機より入電。《ワレテキカンレツヲシニンセリ コレヨリセッショクヲハカル》』
オペレーターの報告により艦橋内の緊張の水位は一挙に高まった。
『位置は?』
努めて冷静に少将は問うた。
『当部隊の前方三.四宙里《三四00修正光秒》。時速二0宙ノット《二000修正光秒》にて接近中』
味方の現在の速力も同じく二0宙ノット。
このままでは後三0分足らずで有視界戦に突入するなとバクーシンが読んだ時―\r
『偵察艇ウルバヌス三号機通信途絶』
近付き過ぎたのか敵の対応が早かったのか、それは九九%索敵機の撃墜を意味した。
司令座から勢い良く少将は立ち上がり号令を下した。
『全艦総員配備!戦闘及び攻撃艇発艦準備!信号灯赤一連《ワレニセントウノヨウイアリ》!ウルバヌス三号の仇を討つぞ!』
ここまで来て連合艦隊に戦いを避ける理由はない。
動向からして統合宇宙軍側も同じ決意にあるのだろう。
司令座に再び腰を下ろしたバクーシンはすぐ前の戦況解析盤に目を据えた。
『敵の戦力艦艇一千〜一五00隻と推定』
オペレータの声とともにそこには奥の方に相手を示す赤色のホログラムが出現し、続いて手前には味方を意味する緑色の立体図形が表示され―両者が急速にぶつかり合う態勢がシュミレートされ始めた。

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