携帯小説!(PC版)

夏の記憶

[351]  Mikko  2006-08-23投稿


60年前の今

僕たちにあったものは


ただただ続く

空腹と


真っ赤な空と


真っ黒な大地と



微かな希望ですら生み出そうとしない



絶望だった




あそこは僕の家

あそこは僕の学校


あそこは毎日放課後行って


遊んだ川



真っ赤に燃える炎に包まれて



何もない



あれは僕のお母さん 

お父さん


お姉ちゃん




皆皆もういない







反発すら許されずに


ただただ戦った



生きる事が戦う人にとって





罪だった時代





敵は




海を越えてやってきた人たちだけでは





もはや無かったのだ





何も無くなった


何も出来なくなった





負けた








あんなにも犠牲をはらった


この国









繰り返してはいけない





二度と起こしてはいけない







60年前の夏





あの夏だけは






忘れてはいけない
















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