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alone 48=恐らくここで=

[342]  兼古 朝知  2010-04-13投稿


「み つる…?」

晶は驚き、声をあまり出せないでいた。

「お前ぇえぇぇえッ!!」

水鶴は あらん限りの大声を出し、刀を振りかざし、圭の腕を斬った兵を刺し殺した。

「水鶴…様!?」

圭が驚いた顔で水鶴を見る。水鶴はキッと圭の方を向いた。

「お前は馬鹿か!!腕を斬り落とされてそのままにする奴があるか!!死ぬ気か柊!!」

水鶴が叱り飛ばすようにして言うと、圭は少し視線を落とした。

「…!!…俺…は…」

「いい、喋るな!」

水鶴は黒いインナーの右袖を破き、圭の斬られた 右腕の少し上をきつく結び、止血した。

その場にいた誰もが、その光景を固まって見ていた。

「…右腕まで鎌にする気か、柊…?」

水鶴が目を伏せて問う。

「…あなた様が望むなら…そうしましょ…う」

「望むものか、馬鹿」

水鶴は圭の目をしっかりと見る。

圭も懸命に視線を返そうとするが…
圭は、己の視界が段々歪んできているのに気がついた。

(あぁ、そう…か…。俺は…俺は…)


柊 圭。17歳。中村水鶴の腹心中の腹心。

彼は……

(…俺は恐らく、ここで死ぬのだ…な)





――自分の早すぎる死を悟っていた。




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