言えないバイバイ 8話 (全10話)
『ほんまに北海道にいくん?』
携帯に打ち込んだものの、“送信”が押せない。
たったこれだけの言葉やんか。ただのメールやんか。そのボタン、押すだけやんか。
なんでできひんの?
あれからうまく話せないのは、あれだけが原因じゃない。
あいつが好きなんやって思ったら、突然今まで簡単やったことが難しくなった。
“バイバイ”って一言さえ言えない。
次の日、久々にあいつが居た
うっかり目があって、うっかりそらすのも忘れてぼんやり眺めてたら、
「ゆき!久しぶり!!」
って笑いかけられた。
久々に普通に話しかけられた。
普通に。
ほんまはあんなこと、こいつにとってたいしたこと、なかったんかなあ。
「うん。」
それだけしか言えなかった。
何か言わなきゃって思うけど、行ってしまうあいつの周りには常に誰かおって、私はすっかり話しかけるタイミングを失った。
やっぱり好きじゃないって。
ちょっと気持ちが高ぶって、好きかもって思っただけ。
このまま“バイバイ”で終わるの。
私はもっといい人を好きになる。
だから、へこむなよ、自分。
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