alone 50=少年の最期=
(教祖…。我らが神の教祖…よ)
圭は、最後の力を振り絞って鎌を振るった。
(俺は お前を信仰したことは…ない)
皆神の兵は、情に流されそうになったが、負けるわけにもいかない。
各々の銃器を持ち、応戦する。
(ましてや お前に仕えた覚えも…ない…)
圭は、背に銃弾と 腹に矢を受けるが、怯まない。
右目の辺りを斬りつけられ、圭は片目だけになるが、それさえ気にしない。
(俺が仕えていたの…は)
後方から膝を撃ち抜かれ、とうとう圭は倒れ込んだ。
立ち上がる気力と体力は皆無に等しい。
「圭。最期に…言う事はねぇのか?」
晶が圭の前に立った。
圭は ゆっくりと視線を上げた。その目は一片の曇りも無かった。
(はじめから何も変わってなど…いない…)
「俺は水鶴様に仕えてい…る。…水鶴様以外の人間に残す言葉など…何も…無い…」
圭は微笑して言った。
(そう…だ。
俺は、俺は……
水鶴様の従者…だ。
中村理一…俺は…
お前の為に
とった行動など…
ひとつも ない…
水鶴様が無事なら俺は…
己の死などどうでもいい
どう でもいい ん だ…)
――バサッ!!!!
涙を流しながら
震える晶によって…。
圭の首が
斬り落とされた。
そして物語は今一度…
些か過去に戻る。
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