携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> 天使のすむ湖27

天使のすむ湖27

[325]  雪美  2006-08-24投稿
勢い良く切り返していた母も黙ってしまった。
しばらくして俺をみると、真剣に
「あなた、本当に看取りをするつもりなの?学校はどうするの?」
母は聞いてきた。
「香里が俺を選んでくれたなら、もちろん俺は看取りたいと思うよ、同情とかじゃなくて、愛する人の最後の願いなら叶えてやりたいんだ、俺に出来ることは全て叶えたいんだ。学校は香里も行くことを願っていたし、昼間はキヨさんがいるから行くよ必ず。」
「そんな言葉で言うほど簡単なことじゃないわよー現実は厳しいのよ、看取りは家族だって大変なことなのに、先にあなたが倒れてしまうわよ。」
そこではじめて黙っていた岬が話し始めた。
「昨日も言ったように、一樹を無理させないように私が更に支えるからおば様心配しないで、一樹が看取りたいなら私も協力して、夜交代で泊まりますから。いくらなんでも一樹が連日夜付き添ったら参ってしまうもの、一樹の願いは私の願いでもあるんだから。」
岬は真剣そのものだった。
 
母は二人の看取りたい気持ちを何とか、少しは理解してくれたのか、
「わかりました。香里さんの状態も、本気で看取りたいと思っても、自宅では大変なのよ、それでも出来るのね。一樹、」
俺は母さんの目を見て言った。
「最後の日まで見届けたいんだ。大変でもいとしい人の最後の願いをかなえたいから・・・岬には傷つけるかもしれないけど、香里に身内がいない以上、協力を頼むしかないんだ。」
ゆるぎない決意がそこにはあった。

感想

感想はありません。

「 雪美 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス