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ミットに向かって-6-

[667]  沢村エイジ  2010-04-16投稿
シュッ・・・パシッ。
シュッ・・・パシッ。
「ナイスボール!よし、初日にしては上々だろ」
野球部の練習が終わってから一時間がたっていた。
もう、ボールもほとんど見えない。

「えー!もう少し投げようぜ?」
「俺を殺す気か。もうボールが見えないんだよ」

不貞腐れたような顔をしてる光をなだめながら武司は家に向かった。光も後からついてくる。

翌日は別メニューをこなす光の姿は無く、ブルペンで武司を相手にずっと投げ続けていた。

「だいぶ曲がるようになったな。あとは球にキレさえあれば完璧なんだけどな」
「どうすりゃいいんだ?」

「ストレートを投げる時は、身体を鞭のようにしならせるイメージで投げてんだろ?同じようにカーブも投げてみろ」

光は困った顔をしながらプレートに足をあわせた。
腕を上げ、足を上げ、地面を踏みしめ腕を振り切る。
腕から放たれたボールは武司のミットに向かって進んでいたが、突然軌道が変わりワンバウンドした。

光の目の前には、武司の身体に当たり跳ね返ってきたボールが転がっていた。

「今の感覚を忘れんなよ。さぁ、どんどん投げろ」

「よし、ナイスボール。そろそろ真野先輩と変われ」 武司が走り込みをしている真野先輩を呼ぶ。

「今日はもう投げなくていいからな。ダウンやって冷やしとけ」
光はちょっと不満そうにビルペンから出ていく。入れ代わりで真野先輩が入ってきた。

「フォーク、どんな感じですか?」
「落差はあまり無いが、試合で使えるかはお前が判断してくれ」
そう言って肩を作りはじめた。

決勝戦当日。
球場の一塁側ベンチで最後のミーティングをしていた。

「今日の相手である刻士舘高校の打撃力はかなりの物だが、守備に関してはウチと同じくらいだ。必ず点は取れる。それと恐らく投手戦になるだろう。真野、神山、豊岡は気を引き締めていけ!」
3人はいつになく真剣な顔で話をきいていた。

昂南は後攻だ。選手達が各自ポジションにつき、軽いウォーミングアップをしている。ピッチャーはゆっくり時間をかけて肩をあたためる。

「プレイボール!」
主審の声を合図にピッチャーは投げはじめる。

「ストライクッ!」

昂南と刻士舘との甲子園出場を賭けた試合が、今始まった。

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