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alone 52=昔話(side圭?)=

[379]  兼古 朝知  2010-04-16投稿


圭が12歳、水鶴が10歳のある日だった。

「圭」

東吾が圭に声をかける。

「…はい」

「教祖様が水鶴様をお呼びになっておられる。お呼びしてこい」

「はい」

本人にとっては当たり前のことだが、二つ返事で圭は了承した。

水鶴と圭は、共に理一の待つ部屋へ向かった。

「父上、何の用かな?」

「俺は…存じていま…せん」

「そっか」

「申し訳ありませ…ん」

「あはは、謝んないでよ 柊!!どこまでも忠実だなー、もう!」

――キィイ…バタ…ン

圭は先行して扉を開け、水鶴を通して閉めた。

「じゃ、圭はここで待っててね?」

「はい」

水鶴に言われ、圭は扉の前に立っていることにした。

水鶴が、父 理一のもとへ歩み寄った。
理一は鼻髭をたくわえ、髪は白髪と黒髪が入り交じって灰色っぽく見える。そして中年であろう証拠に、顔の至るところに皺ができていた。

「水鶴、また大きくなったか?」

「はい!!この前より2センチほど」

理一の問いに、ニコニコして水鶴は答えた。

理一の隣に立つ水鶴の母、中村 菊乃(ナカムラ キクノ)も、嬉しそうに話す子を見ながら微笑んでいる。

「それは良かった。ところで水鶴、剣の修行は順調かね?」

「はい!頑張って父上の役に立ちます!!」

「フフ、自信はあるようだな?その自信、確かめても構わんか?」

「はいッ!!」

「ならばコレで母上を殺してみせろ」



――カランッ



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