七日七晩の慟哭7
年齢のみならず菜那と非常に良く似たその娘は、母親じみた口調で彼女を叱った。
「ちょうど良かった、有依(ゆえ)!警察呼んで。こいつが!」
「あら…」
有依と呼ばれた娘は、場違いな程落ち着いて男を凝視した。
「あらじゃないってば。こいつ変質者よ、へ・ん・し・つ・し・ゃ」
「何言ってんの、菜那。お客さまに失礼よ」
「ハアァ!?」
有依は男に微笑みかける。
「瀬沢さんですよね?どうぞお入り下さい」
男は安堵した様に頷く。唖然として見守る菜那とすれ違い様、冷たい目で彼女に一瞥をくれてから家の中に入って行った。
「ほら、菜那も家入んなさい。おじいさん、お騒がせしてすみません。あの人遠縁の親戚で、ウチでしばらく預かる事になったんですよ」
老人はようやく鋏を下ろした。
「なあんだ、そうなのかい。儂ゃまたてっきり菜那ちゃん襲われてるのかと思っちまったよ」
「本当申し訳ありません、この子なんせ物憶えが悪くて」
「そうか、親戚か。何でもないならいいんだ、最近この辺り物騒だからな」
「ちょっと物憶えって。私そんな、居候の話なんて聞いてない」
有依は妹を睨んだ。
「ちょうど良かった、有依(ゆえ)!警察呼んで。こいつが!」
「あら…」
有依と呼ばれた娘は、場違いな程落ち着いて男を凝視した。
「あらじゃないってば。こいつ変質者よ、へ・ん・し・つ・し・ゃ」
「何言ってんの、菜那。お客さまに失礼よ」
「ハアァ!?」
有依は男に微笑みかける。
「瀬沢さんですよね?どうぞお入り下さい」
男は安堵した様に頷く。唖然として見守る菜那とすれ違い様、冷たい目で彼女に一瞥をくれてから家の中に入って行った。
「ほら、菜那も家入んなさい。おじいさん、お騒がせしてすみません。あの人遠縁の親戚で、ウチでしばらく預かる事になったんですよ」
老人はようやく鋏を下ろした。
「なあんだ、そうなのかい。儂ゃまたてっきり菜那ちゃん襲われてるのかと思っちまったよ」
「本当申し訳ありません、この子なんせ物憶えが悪くて」
「そうか、親戚か。何でもないならいいんだ、最近この辺り物騒だからな」
「ちょっと物憶えって。私そんな、居候の話なんて聞いてない」
有依は妹を睨んだ。
感想
- 3423: テンポの良い読みやすい小説ですね!続きが読みたいです、楽しみにしてます(´∀`) [2011-01-16]
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