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いつもの場所で41

[539]  YOSI  2010-04-19投稿
「来週、○○○へ行きたいんですけど…。そうゆう所って苦手ですか?」
昼休みの食事中、下原文子から、デートの誘いをうけた哲彦は、すぐに解答した。
「いいよ。全然苦手じゃないし。もう夏だし、暑くなるけど、歩き回るのは大丈夫?」
「はい!大丈夫ですよ。」
哲彦の迷わず出した解答に、文子は、笑顔で答えた。
「良かった…私、あそこに行くのは、高校の時以来なんですよ。不思議と縁がなくて…」
「高校の時以来?ずいぶん開いたね。
まあ、デートスポットとしては、ベタだからね。俺も昔付き合ってた人とは、不思議と行くことには、ならなかったなあ…」
と、いいつつも、麻由と行っていることもあるので、哲彦は複雑だった。
「関東の人って、近くにあるせいか、いつでも行けるってゆう考えがあるかもしれませんね。私も、絶対に行きたいって、考えてこなかったですから…でも久しぶりだから行ってみたいなあって思ったんです」
「それでいいんだよ。テーマパークって、同じところに頻繁に行くより、間隔を、大きく開けて行くと、新鮮だと思うしね。…って、こんなこと言うと、リピーターや、マニアの人には、『そんなことないよ!』って怒られそうだけどねえ(笑)」
「そうですよね。確かに、あそこに、頻繁に訪れる人にとっては、私達の考えって、怒られるかもしれないですよね。
…でも、楽しみたいですよね?」
「もちろん。遊んでいる時ってゆうか、デートしている時は、難しいことは考えたくないもん。言い方がおかしいかもしれないけど、むしろバカになっていたいんだよね」
「バカに?」
「簡単にゆうと、頭の中空っぽにして、単純に楽しみたいってゆうね…あんまり伝わってないかもしれないけど」
「そんなことないですよ!わかりますよ。デートに難しい顔は、おかしいですもんね。でも、私とデートしてて、そんなふうになるかが、心配なんですけどね…」
「そんなの簡単だよ。俺も難しいことは、一切考えない。君も、バカになればいいのさ(笑)って失礼!」
クールながらも、哲彦なりの優しさを感じ取った文子は、答えた。
「ハイ!バカになります(笑)」
文子は、自分でも久しぶりに明るく笑ったような気がしていた。
哲彦も、文子の笑顔に、最近のモヤモヤを取り除かれた気がしていた。

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