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カーニバル!♭2

[444]  四十万  2005-12-10投稿
ヤクシマ家とは、日本に存在するある一族の事を指す。その歴史の始まりは逆上ること1000年、平安時代からである。ヤクシマは漢字で焚洲と書く。裏社会ではその名を知らぬ者は誰一人いないだろう。権力は絶大にして、その発言力は一国を動かすと言っても過言ではなかった。なぜそこまで繁栄できたのか、それは簡単な話であり、脅威でもある。
-――恐怖だ。
焚洲家が影の存在である理由が、それである。焚洲の姓の下で生まれた者は皆、情を捨てる訓練を幼少からほどこされる。物心つくころにはどうすれば人を殺せるかを学び、自己を確立するころには立派な暗殺者として育ち上がる。焚洲家は要人暗殺を手掛け、証拠人を抹殺し、邪魔なモノは手掛かりを残さないように破壊し、必要とあらば依頼者の命も奪う。何よりも血筋を重んじる焚洲家では本家での後継者争いが激しく、身内を殺すこともあるという。現に今、焚洲家は次期当主選びで慌ただしかった。本家に属する後継者候補は全部で四人。現当主の直系である殊深(たつみ)に、当主の妹の二人の子供の峯(みね)に紅巳(こうみ)、そして彼女の双子の弟の息子与弼(よすけ)。本家では以上である。そして、その後継者争いに意外な形で関わる事に

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