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七日七晩の慟哭8

[330]  伯修佳  2006-08-24投稿
「聞いてないじゃないでしょ。今朝間違いなく言いましたよ、菜那が新聞のテレビ欄見てる時に。どうせまた、ドラマの内容紹介でも見てて上の空だったんでしょ。返事してたわよ」
図星を差されて菜那はぐっと詰まる。
「て、テレビ欄じゃないよ今朝はちゃんと―」
有依はわざとらしく溜息をついた。
「…とにかく入って。もう一度話してあげるから」

「じゃあその瀬沢さんて人、ご両親が出張してる間だけ、菜那の家から学校通うの?」
高田の声が笑い含みだったので、先程の立ち回りを思い出して菜那は怒った様に言い返した。
「それだけじゃないよ。学校もわざわざ転校してウチの高校に入るんだって。こんな一学期の後半の半端な時にさ」
へえ、と相槌を打ちながら高田隼人は磨いていたグラスを次の物と取り替える。シンプルなコットンのシャツにジーンズという出で立ちでカウンターにいる青年を菜那は軽く睨んだ。意識してないつもりでも、つい目を奪われてしまう自分に腹が立つ。無理矢理視線を剥がして、止まっていたビリヤードの器具磨きに注意を戻す。

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