時代(とき)を超えた青春*戦の漂い
それからしばらく経った頃、会津は戊辰(ぼしん)戦争と言う大きな戦に加わろうとしていた。会津の味方側は大敗北しており兵が足りず、少年達にも出陣(戦に出る事)させる事が決まっていた。彩はまだこの事を知らずにいた…。 いつもの如く彩は日新館を訪れた。しかし、少年達の様子がおかしい事に気付いた。皆ざわめいている。「みんなどうしたの?」「俺らお国の為に働けるんだな!」儀三郎が興奮気味に言う。「あ、彩さん!俺達、出陣する事になったんだ!【白虎隊】って言うんだ!薩長の奴らに負けてたまるか!会津の為、主君の為に戦うのが武士だからな」貞吉の言葉を聞いた瞬間、彩は真っ青になった。「どうしたんだ?彩さん?」雄次が首を傾げる。「…白虎隊…もしかして…あなた達が…」「ああ、そうだ!俺達未来で有名なのか?」彩が真っ青になったのも無理はない。少年達が、誤って自害した白虎隊とは夢にも思わなかったのだ。「悌次郎は砲術に優れているからな、戦場に行っても手柄が取れるな」 「え…」信じがたい出来事が起こってしまった… 続く
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